投資する不動産の種類

土地付き戸建て

 

比較的安価で始められます。

 

木造で築古の地方の戸建なら、
数百万円で購入できるようですが、
地価が高い所では難しいです。

 

地価が高い所でも、ボロ物件を
土地値位で購入し、リフォームして
数年賃貸し、購入時より高くか
または同じくらいで売却する事で
利益を得ることは可能です。

 

ただし、融資を利用する場合は、
月々のキャッシュフロー(手残り)
が赤字になってしまうのであれば
手を出さない方がいいでしょう。

 

アパートに比べて市場に出ている
戸数が圧倒的に少ないので、
安定した賃貸需要が期待できます。

 

欠点としては、空室になれば
家賃はゼロになるというところです。

 

収入が0か100かのどちらかという事です。
融資を利用した場合は、
空室が出た月は必ず赤字になります。

 

また、築古であればリフォームを
必要とする物件がほとんどです。

 

リフォーム費用をいかに安く抑え、
かつ魅力的な物件にする
知恵や技術が必要になります。

 

それから、土地付き戸建ではなく、
土地が借地の場合ですが、
もちろん不動産投資は可能です。

 

ただし、借地権の知識が必要です。
法律の知識だけでなく、地主さんとの
折衝が必要になり、初心者の方は
かなりややこしく感じるかと思います。

 

ですから、ここでは詳しく説明はしません。

 

メリットとしては、
高い利回りが期待できます。
借地権付き物件ばかりを狙って
投資をする人もいるくらいです。

 

興味のある方は、
>>借地権専門投資家さんの本
を読んでみて下さい。

 

 

本は僕も読みましたし、
著者の芳賀さんは実際に
お会いしたこともあります。

 

本では実際の物件の数字や
借地権ならではのノウハウが
分かりやすく説明されています。


マンション(区分所有)

 

マンションの一室を所有する事
などを区分所有といいます。

 

マンション以外には、テラスハウスや長屋
といわれるような、連棟式建物です。

 

こちらも、比較的安価で始められます。

 

不動産の中では流動性が高いといわれ、
わりと売却がしやすいといわれています。

 

利益を得る方法は、
戸建とあまり変わりませんが、
区分所有は土地が敷地権となり、
ほぼ土地値はないと考えましょう。

 

相場より安く購入して、
リフォームして数年賃貸し、
売った時よりも高く、または同じくらいで
売る事ができれば利益を得られます。

 

リフォームの知識や技術は
戸建てと同じように必要です。

 

区分所有で気を付けるのは、
毎月管理費や修繕積立金が
かかってしまう事です。

 

5万円の家賃を設定できたとしても、
管理費や修繕積立金が2万円とか
かかってしまうと、実質3万円しか
家賃収入はありません。

 

融資を利用した場合は、
毎月の返済に加えて、この
管理費や修繕積立金がかかるので、
空室になった月の赤字が大きいです。

 

安く購入する方法としては、
リフォーム前のボロ物件を購入し、
工夫して安くリフォームして
価値を上げる方法の他に、

 

「賃貸中の物件を購入する」
という方法もあります。

 

 

賃貸中の物件はそもそも、
一般消費者は購入しません。
「投資家にしか売れない物件」
という事で実需価格より安い
価格で売り出されることが
ほとんどです。

 

賃貸中の物件を現金で購入するか、
融資を利用する場合は、
毎月手残りが出るように購入し、

 

現入居者が退去後に、
空室の状態で実需向けに
高く売却するわけです。


アパート一棟

 

戸建てや区分所有に比べると
アパート一棟は金額が大きくなり、
融資を利用する事になりますが、
その分利益も大きくなります。

 

当然お金が増えていくスピードも早いので、
アパート一棟は戸建てや区分所有よりも
魅力的な投資物件だともいえます。

 

戸建てや区分所有などの
小さな物件から始めて、
経験を積んでから一棟ものの
物件にチャレンジするという
ステップを踏んでもいいですが、

 

借金をすることに抵抗がなく、
早いスピードでお金を増やしたい
のであれば、アパート一棟から
始めた方がいいと思います。

 

空室だらけのボロアパートを購入し、
リフォームして価値を上げ、
満室にして買った時より高く
売却するのも一つの方法ですが、

 

初心者にはなかなかハードルが高い
ですし、ボロ物件には融資が付きづらい
というデメリットがあります。

 

そこで、僕も含め多くの初心者は
キャッシュフロー(手残り)を重視した
投資スタイルをとります。

 

不動産投資が成功したかどうかは、
最終的には売却した時に決定しますが、
毎月のキャッシュフローがあって、
それを借金完済まで続けられれば、
たとえタダで手放したとしても
今まで積み上げてきたキャッシュフロー分
利益が出た事になります。

 

ですから、物件を安く買う以上に
毎月キャッシュフローが残る運営を
継続してできるかどうかというところに
着目するわけです。

 

キャッシュフローをしっかり確保できて、
なおかつ運営を継続できるかどうか
という事を判断するための材料として、

「キャッシュフローに関する事」
・利回り
 (家賃収入÷物件価格×100)
・借入金利
・借入期間
・イールドギャップ
 (利回りと借入金利の金利差)

 

「運営に関する事」
・レントロール(賃借条件表)
・賃貸需要
・家賃相場
・管理費や修繕費
・築年数や建物の状態

などを確認します。

 

不動産投資は事業性が高いので、
利回りや借入条件だけを見て
単純にキャッシュフローがあるから
といって購入してしまうと、

 

家賃が適切でなかったり、
修繕で大きくお金がかかったりして、
実はそれが継続できなかったという
事態になってしまう恐れがあります。

 

キャッシュフローがある事はもちろん、
その根拠をしっかりと確認する
必要があるわけです。


テナントビル

 

収益を得るための基本的な
考え方はアパート一棟と同じです。

 

居住用の不動産と違うところは、
事業を行う場所を貸すわけですので、
借りた方の事業が上手くいかなければ
滞納したり退去することになります。

 

居住スペースは生きていく上で
必ず必要ですので、借主側にとって
アパートを借りるのに比べると
優先順位が低いといえます。

 

ですから、
居住用の一棟アパートに比べると、
安定した経営ができるかどうかで
不安が残るところではあります。

 

居住用に比べテナント用は
キッチン等の水回りや間取りも
簡素なものが多いので、
その分建築費は安くなります。

 

その結果利回りは高くなる
傾向にあるようです。

 

しかし、表面的な収支だけを見ると
収益性の高い投資に見えますが、
利回りが高いという事はそれだけ
リスクも高いのが投資の世界です。

 

一棟アパートと同様に、
賃貸需要や家賃相場などを
しっかりと確認し、継続して
運営が続けられるかどうかを
判断しなければいけません。

 

また、一棟アパートの一階部分が
テナントという場合がありますが、
この場合はリスクが分散され、
かつ収益性を上げられるという
メリットがあります。


駐車場や駐輪場

 

駐車場や駐輪場の良いところは、
・初期費用が安い
・トラブルが少ない
・借地借家法等の適用がない
といったところでしょうか。

 

土地を確保できれば、
コインパーキングとして整備しても、
数百万円から始められます。

 

入居しているわけではないので、
トラブルやクレームはアパートや
テナントに比べると圧倒的に
少ないそうです。

 

建物を貸すわけではないので、
借地借家法という、借主を保護
するための法律が適用されません。

 

高収益を得るためには、
月極駐車場では難しいです。

 

コインパーキングであれば、
需要があるところなら高い収益を
得られる可能性があります。

 

ただし、月極と違って短期貸しに
なりますので、より事業性は高くなり、
駐車場にするための土地購入で
融資を受けるのは簡単ではないようです。

 

最近ではakippaなど、空き駐車場の
シェアリングサービスもあります。

 

これは、空いている土地や駐車場を
自分が使わない時だけ貸し出せる
というサービスです。

 

利用者はスマホでサイトやアプリから
空いている駐車場を探す事ができ、
クレジットカードで支払いをします。

 

車一台分の空きスペースがあれば、
このようなサービスを利用して、
手軽に始める事ができます。


コインランドリーなど

 

駐車場や駐輪場のように、
家賃以外で稼ぐ方法としては、

 

コインランドリーや自動販売機、
太陽光パネルなどもあります。

 

どの方法も、
トラブルやクレームが少ない事と、
初期費用が低く抑えられるという
メリットがあるものの、

 

家賃のように毎月決まった額が
必ず入ってくるわけではないこと、
自分の努力で売上を改善する
のが難しいことがデメリットです。

 

コインランドリーであれば雨の日が
多い方が稼げますが、太陽光は
晴天が続いた方が稼げます。

 

でも、天気をコントロールすることは
できませんよね。

 

逆にそれを利用して、
太陽光パネルを所有している人が、
コインランドリーも運営して、
リスクヘッジしている人もいます。

 

また、融資を利用した場合、
アパートに比べると融資期間が
短い場合が多く、そうなると毎月の
返済額が高くなり、結果的に
キャッシュフローが少ないという
事態が起こりうるので注意が必要です。


軍用地

 

僕の住む沖縄には、
上記以外にも沖縄ならではの
投資物件が存在します。

 

その一つが軍用地です。

 

軍用地は、主に米軍基地として
接収されている土地の事です。

 

基地の中にある土地ですので、
もちろん自由に使う事ができない
わけですが、その代わり国が
借地料を支払ってくれます。

 

借り手が国ですので、
滞納の心配がありません。

 

固定資産税や相続税が
低く抑えられ、管理費等の
ランニングコストがかかりません。

 

軍用地は利回り〇%という
言い方では販売されません。

 

〇倍という言い方で販売されます。
これは、年間借地料の〇倍の
価格という意味です。

 

軍用地料は毎年値上げが
されていますので、例えば、
年間借地料が100万円の軍用地を
30倍(3,000万円)で購入し、
10年後に借地料が160万円に
なっていたとします。

 

※どのくらい値上がりするかは、
毎年国と沖縄県軍用地主連合会
との間で話し合われ決定します。

 

それを買った時と同じ30倍(4,800万円)
で売れば1,800万円売却益を得られます。

 

かつ年間借地料はすでに1,000万円
もらっているわけですから、
合計で2,800万円、10年の間
実質年収280万円を何もせずに
稼ぎ出してくれたことになります。

 

しかし、安定した投資先でありながら、
利回りが低く長期間で融資を組むことも
難しいため、融資を利用すると
キャッシュフローがほとんど出ない、
又は赤字になってしまいます。

 

ですから、現金を持っている方の
「リスクが低く定期預金よりも効率の良い運用先」
という考え方や、

 

融資を利用する場合は、
現在キャッシュフローを得られなくても、
将来返済が終わった時に
安定した収入を得られるという事で、
年金替わりという考え方が一般的です。


外人住宅

 

もう一つ、沖縄ならではの
投資物件に「外人住宅」があります。

 

外人住宅は、米軍基地に駐留している
軍人、軍属のための賃貸住宅です。

 

※外人という言葉が差別用語だと
思っている人がいるようですが、
僕はそのように思っていませんので
勘違いされないで下さいね。

 

この外人住宅は軍用地とは反対に、
利回りの高い投資物件になります。

 

2LDKの間取りでも100u近い
広さがあったりしますし、
賃料は10万円以上が当たり前、
30万円という賃料もザラです。

 

なぜこんなに高い賃料が払えるか
というと、日本の税金で家賃や
光熱費の補助金を出しているから
なんですね。

 

という事で、こちらも滞納の心配がない
投資物件なのです。

 

外人住宅にするためには、「軍検」
といわれる検査をパスする必要があります。

 

軍検では、地域、建物の大きさ、
部屋数、バス、トイレの数、家電の設置など、
様々な条件をクリアしなければなりません。

 

また、銀行融資についても特徴があります。

 

建物の構造に関わらず、基本的には
新築から25年が融資の上限といわれており、
沖縄に多いRC造でも、築10年経過すれば
融資は残り15年しか組めないという事になります。

 

これではいくら利回りが高いといっても、
キャッシュフローが少ない投資になってしまいます。

 

米軍基地の返還リスクや軍人、軍属の
人員削減、基地外での居住が規制される
など、一般の賃貸住宅とは違ったリスクが
存在するのも特徴の一つです。


どれが一番いいのか

 

さて、ざっくりと説明してきましたが、
「結局どれが一番いいのか?」
に対する答えはありません。

 

一口に不動産投資といっても、
これだけたくさんの種類があります。

 

もっと言えば、
それぞれの不動産タイプの中でも、
中古か新築かなどに細かく分ける
ことができます。

 

チャンスは無限に存在するといえますが、
どれも一長一短ありますし、
利回りが高い不動産タイプには
それなりの理由があるわけです。

 

どんなリスクがあって、
どんなリスクを負えられるのか?

 

そこを考えてみるといいです。
少なくとも、リスクなしでリターンを
得る事は絶対にできません。

 

「自分の負えられるリスクを負う事」
これがリターンを得るための
最低条件だと思います。

 

また、借金をする覚悟があるのか、
まずは自己資金だけで取り組みたいのか、
始めようと思っている地域はどこなのか、
貯金や資産状況、職業によっても
できる事とできない事があります。


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