所有しない不動産投資法

沖縄には激安不動産がなかった!

 

「所有しない不動産投資法」は、
僕の挫折経験から生まれました。

 

僕の住む沖縄には、数百万円の物件が
ほとんど存在しません。

 

その理由は、

 

小さな島という事もあってか
地価が高い

 

木造住宅がほとんどなく、
コンクリート造が多いので
建築単価が高い

 

さらに、

 

コンクリート造は木造に比べて
修繕費が高い

 

このような理由から、
数百万円で購入できるような物件は
ほとんどなく、あったとしても修繕に
莫大な費用が掛かってしまうのです。

 

自己資金が少ない僕には
到底手が出せないのです。

 

自己資金があったとしても、
高利回りを目指すことは難しいです。

 

ある時、こんな物件がありました。

 

戸建で土地は借地、
築年数は50年位、RC造、
販売価格は250万円位でした。

 

写真を見ると、コンクリートが爆裂
(コンクリートが剥がれ落ちて、
錆びた鉄筋が見えている状態)
している箇所がいくつか見受けられました。

 

↓コンクリート爆裂 イメージ

 

土地が借地といえども、
沖縄でこの価格はなかなか出ないので、
問い合わせてみることにしました。

 

すると、

 

「建物の痛みが激しいので、
一度外観を自分で見て下さい。」

 

それでも気になるなら、改めて
連絡してほしいとの事でした。

 

この感じが沖縄らしくてたまりません。笑

 

ようするに利益が小さい物件なので、
見込みのない客を案内する時間が
もったいないわけです。

 

その時は「わかりました。」
と言って電話を切りました。

 

自宅から結構離れた場所だったので、
ただ見に行くだけではもったいないです。

 

そこで、

 

恐らく一番修繕でお金がかかるであろう、
コンクリート爆裂の修理を専門にしている
業者さん2社に見積りのアポを取り、
再度不動産業者に連絡を取って、

 

「物件外観を見たが気になるので、
修理業者と一緒に見に行きたい。」

 

と伝えました。
本当ははまだ見てないですが。

 

現地に行って修理業者さんに
見積もりを出してもらうと、

 

1社は400万円程の見積もりでした。

 

コンクリート爆裂修理だけでこの価格です。
物件価格の250万円より高いのです。

 

そしてなんともう1社は、
「痛みが激しすぎて無理です。」
と辞退する始末。

 

一時的な補修はできるが、
鉄筋が錆びて膨張しているので、
5年もすればまた爆裂する。

 

「もう手遅れだ」という事です。

 

RC造は長持ちするイメージでしたが、
全く手入れをしないと、木造よりも
早く朽ち果てるのかもしれないですね。

 

コンクリートの爆裂は、放置しておくと
突然天井からコンクリートが落ちてくる事
があるのでかなり危険です。

 

僕自身、経験したことがあります。

 

↓その時の写真です。

 

もし頭上に落ちていたら・・・
と思うとゾッとしました。

 

風呂場だったので、
裸の状態で倒れていたりしたら
かなり恥ずかしいです・・・

 

修繕はマストと言っていいと思います。

 

入居者がケガをしてしまったら、
大家の責任になる可能性が高いからです。

 

このように沖縄の不動産事情は
沖縄県外に比べると独特なのです。

 

しかも家賃は東京などのように
高く設定できるわけではありません。

 

「競売」という方法も試しましたが、
やはり激安で落札する事は難しく、
県外でできるような高利回りの
投資はできそうにありませんでした。


他人の不動産で不動産投資!?

 

沖縄で不動産投資を始めるには
もっと貯金しなければならないのか・・・

 

といっても、僕の年収は250万円そこそこ。
※沖縄でこの年収は悪い方ではないです。

 

家賃2万円、風呂、トイレ、洗濯機が
共同のアパートに住んでいましたが、
頑張っても貯金は年間50万円位です。

 

僕は勉強代にも年間30万円近く
使っていたので、本当に切り詰めて
50万円位が貯金の限界でした。

 

これでは500万円貯めるだけでも
10年かかってしまいます。

 

投資用不動産専門の業者さんで有名な
水戸大家さんの無料面談に行った時に、

 

「年収を上げるか貯金を500万円貯めるか、
どちらかしないと不動産投資は難しいです。」

 

はるばる東京まで行ったのに
面談時間わずか数分で
一蹴されてしまった経験もあり、笑

 

年収低い、貯金も少ない、
激安不動産は沖縄にはない、

 

ひとまず内地(日本本土)に戻って
貯金するしかないのかな・・・

 

と諦めかけていた時に思いついたのが、

 

「他人の不動産をまた貸しする」

 

という方法です。

 

沖縄には激安物件がない・・・
家賃も高くはない・・・
だから利回りが低い・・・

 

大家になっても儲からない・・・!?

 

という事は・・・
逆に言えば安く借りれる・・・!?

 

じゃあ安く借りて、付加価値を付けて、
借りる額より高い額で貸せばいいんだ!

 

とひらめいたのです。

 

なにも自分で買わなくたって、
他人の不動産で不動産投資は
できるんじゃないか?

 

そう思ったわけです。

 

名付けて、「転貸不動産投資」です!


安く借りて付加価値を付ける

 

僕はお金はあまりなかったですが、
勉強や情報収集だけはしていました。

 

大家検定といわれる、
「不動産実務検定」の講座に
通っていたという事もあり、

 

空室対策や高く貸す方法として、

 

・リフォームやリノベーションをする
・家具家電付きにする
・マンスリーなどの短期貸しにする
・シェアハウスにする

 

このような方法がある事を知っていました。

 

市場に出回っている賃貸住宅の中には、
修繕が全然されていない、下手をすると
掃除すらろくにされていないボロ物件が
安い賃料で入居者募集していたりします。

 

そんな安い賃料の物件をキレイにしたり、
家具家電付きにしたり、
短期貸しやシェアハウスという
通常とは違う貸し方にして、
付加価値を付けて高く貸せばいいのです。

 

とはいっても、通常は賃貸借契約書に
転貸禁止の条項が入っています。

 

つまり、「また貸し禁止」というのが
賃貸物件では常識なのです。

 

ですから、そこをクリアしなければ、
転貸不動産投資は始める事ができません。


よし、シェアハウスやろう

 

そしてもうひとつ問題があります。

 

もし転貸OKの許可を貰えたとしても、
空室の時は家賃分が赤字になります。

 

もし費用と労力をかけて付加価値を
付けたのに入居者が決まらなかったら・・・

 

というリスクを考えると、
「シェアハウスにして自分も住んでしまう」
という方法しかないと思いました。

 

万が一空室になっても、
自分で支払える家賃の物件を借りて、
満室時にはプラスになるようにするわけです。

 

その当時シェアハウスが流行りだす頃で、
収益性の高い運用方法だという事も
なんとなくわかっていました。

 

「よし、シェアハウスやろう。」

 

シェアハウスで収入を少しでも増やし、
もっと貯金できるようにしよう。

 

そう決心したのです。


転貸不動産投資開始!

 

シェアハウス用の物件を探す時ですが、
2011年当時、まだ沖縄でシェアハウスと
言ってもピンとこない人が多かったのか、

 

「シェアハウスをやりたい」と言っても
あまり受け入れてもらえませんでした。

 

それに自分も住むわけですから、
転貸とも少し違って、同居人が
複数いるという方が正しいです。

 

ですから、シェアハウスと言うのはやめて、
「同居人が増えるのを許可して欲しい。」
という言い方にして交渉しました。

 

安くて広くてボロい(笑)物件は結構あり、
案外すんなりと物件は決まりました。

 

ワンフロア一室のアパートの3階で、
間取りは4LDKです。

 

各部屋が独立しているタイプですから、
プライバシーはある程度保たれます。

 

リビングは15畳ほどあり、
みんなで食事したり、ちょっとした
パーティー位なら十分できる広さです。

 

トイレと風呂が同じ部屋にあるのが
唯一気になった所ですが、
4人で住む分には特に問題なかったです。

 

↓実際の間取り図です。

※この間取り図は、フリーソフト
 「Excel DE 間取り図」を使いました。

 

生活に必要な家具や家電、
各部屋のテーブルや収納、ベッドなども
用意し、カバン一つでも入居できる位の
設備を整えました。
また、Wi-Fi環境も整えました。

 

賃料は二部屋が30,000円で、
もう一部屋は狭いので25000円、
6畳の部屋は自分の部屋にしました。

 

水道光熱費は全員で案分としました。

 

支払い家賃は65,000円で、
駐車場一台付きですから、
満室時は20,000円の収入になります。

 

今まで支払っていた家賃がなくなるので、
実際には40,000円位収入が増えます。

 

月に40,000円収入が増えれば、
年収48万円アップです。

 

入居費用や設備にかかった
投資額は50万円弱でしたので、

 

表面利回りは100%に近いです。


転貸不動産投資の可能性

 

シェアハウスの運営は順調で、
回転は速いものの、空室がでても
入居者はすぐに見つかりました。

 

※シェアハウス運営ノウハウの記事は
 また改めて書きたいと思います。

 

家賃がゼロになり、少し収入が増えた事で、
貯金が今までの倍近くできるようになり、
このシェアハウスのおかげで、予定より早く
不動産投資を始める事ができました。

 

転貸不動産投資は、シェアハウス以外にも
色々な方法があります。

誰も住まなくなった空家のオーナーに
交渉して安く貸してもらい、
自分で手直しして高く貸す方法。

普通の賃貸住宅に家具家電を設置し、
ウィークリーやマンスリーにする方法。

最近では民泊という方法や、
時間貸しという方法まであります。
貸す時間が短くなるほど収益性は
上がりますがその分手間がかかります。

ただし、ウィークリーや民泊となると、
旅館業法という法律が絡んでくるので、
法に抵触しないよう十分気を付ける
必要があります。

 

今まで考えもしなかったようなニーズが
どんどん生まれているのは確かです。

 

これからの時代、消費者のニーズは
もっともっと多様化していくと思います。

 

時代の流れやニーズにいち早く気付き、
それに答えていく事ができれば、
転貸不動産投資の可能性は
無限にあると言ってもいいと思います。

 

自己資金が少ない人でも、アイデア次第で
未知の可能性を秘めているのが、
転貸不動産投資なのです。

 

僕自身、通常の不動産投資と並行して、
これからも転貸不動産投資を積極的に
手掛けていくつもりです。

 

その理由は、
転貸不動産投資のスキルは、
自分の所有する不動産でも
そのまま使うことができるからです。

 

相乗効果を期待できるのです。

 

これから不動産投資を始める方も、
いきなり大きな金額を投資する前に、
まずは転貸不動産投資から始めてみる
というのも良いのではないでしょうか?


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